★★★強いコンプレックスの部分ほど実は激変するバネになる？両顎手術8ヶ月★★★ ★平均の大切さと＋αのテイストの話★ ご無沙汰してました。 先日の美容外科学会（JSAS）の両顎シンポジウムでは、両顎手術を行う最若手ドクターとして、若手の医師がテクノロジーを使い、いかに経験のある匠ドクターに比類するかという話を中心に話させていただきました。周りは、昔からお世話になっている先生目白押しで、恐縮だけどやってやんぜー的なノリで発表しました。 ディスカッションしたいことが多すぎましたが、一つだけ確信したのは次世代の術者はもはや３Dシミュレーションなどのテクノロジーを用いてオペしないことには、Learning curveを急速化できないということです。 美容外科の世界もAIの台頭とDX化の波がすぐそばまで来ており、それは大御所の先生たちが思っているよりずっと近いところに臨界点があるように思えます。 今後もScienceとArtのバランスを大切にしたオペを心がけていきます。 さて、 今回の患者様は以前紹介した患者様の中期経過です。 口ゴボと顔の長さを改善させるために両顎手術を行いました。 ちょっと音信不通になっており心配していたのですが、便りがないのは良い知らせということでお呼びして変わらぬ可愛らしい姿をみせてくださいました。 予定していた術後の抜歯矯正がまだ進んでいないため、上顎の前突感が若干残っていますがご本人は満足されています。矯正が進んだ状態でまたレポしますね。 さて、両顎で変化がでやすい方、出にくい方の大きな違いについて少しお話したいと思います。 そもそも、両顎手術は英語でOrthognathic surgeryという名前がついています。 Orthoというのは正しいとかまっすぐとかいう意味です。 みなさんの一番身近な例でいうと、Orthodox（オーソドックス）などが挙げられます。 医師の方でいうと、Orthopedicsは整形外科で骨を正すみたいな意味だと思います。 Orthognathicのgnathicは顎（アゴ）という意味です。 なので、両顎手術は顎を本来の正しい位置に持ってきてあげる手術ということになります。 なので、両顎手術は本来、シャクレや顎なしなどの正常の顎の状態から外れている方ほど、正常化されて変化が大きい手術になります。 正常な状態かをはかる指標はレントゲン、CTやかみ合わせ、実際の見た目などを総合して勘案し判断します。 逆に、どの部分をみても正常な顎の状態である患者さんに関しては変化は乏しく、両顎手術の適応は少なく、リスクが伴う手術であることを考えると推奨しないということになります。 特に美容外科には患者さんの中にはほとんど正常な顎の状態ではあるが、ある部分だけちょっと正常より離れている部分がある患者様が多くいらっしゃいます。 それを見極め、その部分を調整し変化させたときのお顔の変化をシミュレーションし、それが患者さんの求める姿と合致するかを念入りに検討する必要があります。 この調整し変化させる度合い、力加減が腕の見せどころになります。 やりすぎるとすぐに、平均の範囲を超えてしまい、それが可愛くない自然でない見た目になってしまいます。 例えば、顔の短さを求めるあまり、上顎を短縮たくさんしてくださいというご希望を叶えた結果、歯が見えなくなりおばあさんみたいな顔貌になると、顔は短くなったけど可愛くないという本末転倒な結果になってしまいます。 お顔の印象はデジタルに単純に大きさとか比率とかの定量的なデータできまっているわけではなく、人間が見るものですからバランスや錯覚、感覚といった定性的ものにも大きく影響されます。 顔を小さくしたいというScience的な発想にとらわれて、本来の美しくなるというArtの部分を見失わないようにしないといけません。 僕らも患者様側もです。 その部分を守って最後の微調整で＋αのスパイスを付け足します。 具体的には顎先が細めがいいとか、唇がこれくらいまで下がっているのがいいとか、オトガイのくびれはこんなもんがいいとかそういったものを患者さんの希望のお写真から把握し、スパイスのニュアンスを調整していきます。 いつも言うように料理の部分と同じで、基本の調理はこちらで守らさせていただいて、最後に少し辛めの味付けがいいとかそういった要望についてはぜひおっしゃってくださると助かります。 こちらも注文の多い料理店かもしれませんが、患者様の満足のためにも色々とぜひテイストのご注文をおっしゃってください。 ///////////////////////////////////////////////////////////////////////////////////////////////////// ＜行った施術＞ Le Fort Ⅰ型骨切り＋SSRO+オトガイ形成 ＜リスク＞ 下口唇の痺れ プレート感染 後戻り 血腫、後出血 鼻閉 開口制限 咬合不正など /////////////////////////////////////////////////////////////////////////////////////////////////////