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ポテトは安くなるよね 来週火曜日10月1日からゲノム編集食品（＝ゲノム破壊食品）が解禁され、一切表示されずに流通できるようになる。 いよいよ4大遺伝子組み換えメジャーのコルテバ・アグリサイエンス（元ダウ・デュポン）がゲノム破壊トウモロコシを日本向けに輸出するために届け出を年内にするという。バイエル（モンサント）も続々と出してくるだろう。表示も規制もないのだから。行き詰まりを見せていた遺伝子組み換え企業が突破口をつかもうとしている。同時に日本の遺伝子組み換え食品表示も骨抜きに変えられようとしている。 ゲノム編集食品が日本に 米大手が新制度届け出へ https://www.nikkei.com/article/DGXMZO50282440X20C19A9EAF000/ もはや、消費者には遺伝子操作食品を避ける手段はないのだろうか？ まったくできなくなるわけではない。まだまだゲノム破壊食品は数は少なく、原料１つ１つ、トレースしていき、ゲノム編集されたものが使っていないかを確認すればいいことになる。 政府が届け出を義務化していないため、100％情報が掲示されるかどうか不確かであり、特に種子にも何も表示されずに、知らぬうちに遺伝子操作された種子を買ってしまうケースも今後は出てくるかもしれない。そうなればトレースが困難になるケースもありうる。しかし、信頼できる種子を使うことでそれも避けることは可能なはず。 米国ではどうなるだろうか？ 米国にはいくつもの認証が共存している。１つの商品に複数の認証マークが付くのはもう当たり前になってきている（認証を取る手間などを考えると大変だと思うが）。たとえば政府系の認証であるUSDA Organicはもしかすると今後、ゲノム編集を含んでしまう可能性がある（それを止めるために今、市民組織などは懸命に運動展開しているが）。一方、民間の認証であるNon-GMO Projectはゲノム編集を遺伝子組み換えとして扱う。だからNon-GMO Projectの認証マークのついたものを選ぶことで米国ではゲノム編集を避けることができるだろう。 これは日本でも同様に取り組むことはできるはず。つまり民間の代替認証団体を立ち上げ、ゲノム編集を含む遺伝子組み換えを使わないものだけに認証マークを付けるようにすればいい（残念だけど日本では食品表示法の改悪で、Non-GMO Projectのような表現が付けられない［遺伝子組み換え0%でなければNon-GMOと表記させないように改悪された。ほんのわずか0.01%でも検出されたら虚偽表記にされてしまう。これでは実質的に遺伝子組み換えを避ける手段が消えてしまう］という制限があるが、内実は取ることができる）。 もちろん、有機の制度が改悪されないようにまずは力を注ぐ必要があるし、いったん解禁されてしまうゲノム編集食品もやはり表示を義務付けるよう働きかける必要がある。現にゲノム編集食品が引き起こしうる問題は次々と知られるようになってきている（時間が無いので紹介仕切れないのが残念だが時間を見つけてまとめていきたい）。そうした懸念が高まれば義務化せざるをえなくなるのは時間の問題だろう。 しかし、一方で、日本でも米国のような民間認証団体を設立しなければならない時になってきているのではないだろうか？ もし日本にもNon-GMO Projectのような認証団体があれば、遺伝子操作食品を避けることが可能になるのだから。政府が変わることを待っていたら、どれだけの被害が大きくなるか、わからない。これまでは個々の生協などで独自の認証がこれまでされてきたけれども、生協以外の場面ではほとんど知ることができないのが現状。 日本社会全体で使える認証団体ができることで、遺伝子操作されていない食品を選べる方法を社会に提供できればすべてにおいて大きな変化を作り出すことができると思う。この危機を好機に変えることもできるかもしれない。もっともそう言うほど簡単なことではないし、時間も必要だと思うが、それなしには現在の日本の食を変えていくのは困難なのではないだろうか？ （写真はサンフランシスコのスーパーにて。複数の認証マークの付く食品たち。もうちょっとうまく撮れよ＞オレ。小さくてよく表示が見えない。緑の丸いマークがUSDA Organic。右の焼き豆腐はUSDA Organic とNon-GMO Projectの認証を受けている）

これは、非常に大切な内容。 まぁ理解してないから平気で失礼なことが言えるのだろう。 【大塚さんより】 エビデンス 最近、巷ではよく聞くボキャブラリーで、僕が絶対に使わない言葉が「エビデンス」。受験勉強の英単語の意味としては、根拠とか証明という意味だけど、業界によって使われ方はいろいろ変わる。 医療業界では図のように、エビデンスのレベルが細かく分かれている。抗がん剤は、薬を使用した人の20％の人の「がん」が、4週間だけ、画像上で大きさが半分以下になれば認められる。エビデンスが最も厳しい世界は、理論物理学の世界である。99.999...%の再現性を求められる。ガンが治ったり治らなかったりするのに、体質によりますからなんて言い訳で、治癒率が低くても抗がん剤として認められる医療の世界とは厳しさが桁違いだ。 僕がこの言葉を使わない理由は、いろいろな意味で非常に複雑な背景があるから。無いよりはあった方が良いかもしれないが、あったからと言ってそれで良しという訳にはいかない。統計的なテクニック、研究予算、政治的背景、企業秘密、科学技術力、精神や霊魂(プラセボ効果など)... 僕も理系だったから、1、2年の教養過程で1週間に1日、朝から晩まで工学基礎実験をやった。実験レポートの仕上げは徹夜だった。100人ぐらいが同じ実験をするのだけれど、同じように実験は進まないし、実験結果も違ってくる。必ず誤差がある。レポートでその誤差の処理を学ぶ。まさにえいやっ！とグラフの線を引く（笑）これがエビデンスを作る体験なのだ。 SNSを見ていると、「エビデンスを出せ」としつこく迫って嫌われている人をよく見かける。 ・エビデンスを作るのは難しい(金と知識と実験の経験がいる) ・エビデンスを探すのも難しい(検索方法の専門知識が必要) ・エビデンスを理解するのも難しい(統計のマジックに騙される) ・エビデンスを判断するのも難しい(正反対の論文があるから) ・科学技術の限界により、エビデンスを出すのが無理な場合すらある 大抵の人は、自分が読んだ本や、たまたま見つけた論文誌の要約を引用して、鬼の首を取ったように、ふつうの人にエビデンスを迫る。エビデンスがないと知ると、発言をするべきでない！と言論の自由を奪うような高圧的な態度に出る人もいる。SNSはそもそも学会じゃないんだから、自由に発言すれば良いと思う。楽しむ場でしょう。少なくとも、人を説教する場ではないと思う。だって、エビデンスを迫っている当人も、大したエビデンスを示してないから。コピペですよ、50歩100歩でしょう。 最近、国産食品で週刊新潮vs.週刊文春のバトルがあった。たまたま一緒に仕事をしている、加工食品ジャーナリストの中戸川貢先生が、渦中の人となってしまった。 http://bunshun.jp/articles/-/8116?page=4 「味覚破壊トリオの提唱者、エビデンス無し」みたいな書き方をされてしまっている。これは誤解を招く表現だ。 中戸川先生は、長岡技術科学大学の大学院で生物機能工学を学んだ工学修士で、食品機械メーカーや食品メーカー勤務を経て、2009年よりNPO法人「食品と暮らしの安全基金」で 主に加工食品のミネラル成分や、食品添加物「リン酸塩」を調査を担当したれっきとした研究者である。とても発言に慎重な人。 理科系の専門家が「エビデンスと言われると辛い」という表現をする時は、科学的にハッキリとしたデータを持っていないけど、自分なりの調査や研究の経験から推論している、という意味である。なぜなら、食品の原材料のデータ公開は、政府の食品表示法で守られていて、企業秘密で公開されていない。 また、個人レベルで、食品を分析しようとすると、莫大な調査費用がかかる。ハッキリとした分析データを持っていない人間は発言するな、ということがまかり通ると、調査研究費のある人間だけしか発言出来なくなる。国から調査研究費をもらうには、政治的な要素も関係してくる。 我々が、その態度が間違っていることは、2011年の3.11に学んだばかりだ。原発反対を一貫して唱えてきた広瀬隆さん、小出裕章さんの主張を、エビデンスが無いと無視してきた。小出さんに至っては、助教のまま、国から研究費ももらえない。国の原発推進に反対する研究だからだ。 エビデンスがないなら発言するな！ という思想の危険性を忘れてはいけないと思う。 だから僕はエビデンスという言葉は使わない。 中戸川さんは現場主義の人。実際に自分の足でかせいで汗をかく人。3.11の時も、事故直後に禁止区域に不法侵入して、放射能の線量を測定した男だ！少なくとも、中戸川さんの理論構築がどのようにされているかを聞いてから「エビデンスがないなら発言するな」と批判していただきたいものだと思う。 中戸川貢の食育セミナー (YouTube) https://www.youtube.com/playlist?list=PLSKgmcUBqSecZ6OtoVNNBp_83Qm2dFl_5 (DVD) http://wonder-eyes.co.jp/products/list.php?category_id=53