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同時也有62部Youtube影片,追蹤數超過20萬的網紅こぴ / kopi,也在其Youtube影片中提到,初、小説を書かせていただきました。いや、描かせていただきました、なのか。 どんなカタチにしても、私は表現者でありたいのです、 なんてかっこつけてみる。カッコつけてみる() 「夜の電線に攫われて」原作短編小説 こぴ 妙な静けさを感じると、決まって電話が鳴る。 何かの警告のような、何かが終わって...
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2021-09-16 06:21:46
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2021-03-26 20:00:17初、小説を書かせていただきました。いや、描かせていただきました、なのか。
どんなカタチにしても、私は表現者でありたいのです、
なんてかっこつけてみる。カッコつけてみる()
「夜の電線に攫われて」原作短編小説 こぴ
妙な静けさを感じると、決まって電話が鳴る。
何かの警告のような、何かが終わってしまっているような、そんな感じだ。
「もしもし?お疲れ。今日何時に家来るの?」
二十八歳の会社員、木下翔悟とは付き合って三年が経つ。 顔はそれほど好みではないけれど、いつも私のことを素敵だね、と褒めてくれるような人。
そういや酒に飲まれて朝帰りしたあの日も、いつもと変わらず曇りない笑顔で「おかえり」と言ってくれていたな。
すぐ迎え行く、と、電話越しの柔らかい声が風の吹く音にみるみる溶け込んでいくのがわかる。緩やかな坂道、遠くの方に小さく影が見える。その影は買い物袋を持った私を見てきっと慌てて駆け寄ってくる。
彼は優しかった。
きっと、そんな優しさに甘えていただけなんだろう。
二十二時。翔吾の家からの帰り道、電話が鳴った。
「よー!久々!今みんなで飲んでんだけどさ、お前に紹介したいやつがいるんよ」
「祐樹じゃん!急に何?高校の時ぶりだよね?えっ何酔っ払い?」
「いいからいいから。俺の友達なんだけどさ、いい奴がいるんよ。ほらこいつが会話したいって」
「えっ、ねえ何誰?!」
「…もしもし?あーっと…友達の江藤です」
宿に着いた修学旅行の生徒のような声が遠く近くで交差する中でも、よく聞き取れる、落ち着いて澄み透った声だった。
「なんかあいつが急に変なこと言ってごめんね。ちょっと酔ってるみたいで」
「いや全然!祐樹昔からあんな感じだし、本当変わってないなあ。そっち、楽しそうね。」
「賑やかだよー。もしよかったらさ、今から来る?あ、たぶん俺もちょっと酔ってるわごめん」
気づいたら昭和のポスターや提灯でレトロ間を演出したその場所に私はいた。
学園祭みたいな内装、よくある店。一日の疲れを酒でいやす人々がぎっしりつまっている。
辺りを見渡していると、真っ黒な瞳と目が合った。すっとした端整な顔立ちの男性が、私に気付くなり、ようと控えめに手を上げる。
それから私たち三人はぼんやりとした会話を果てることなく続けた。祐樹とは久々の再会のはずなのに、中学時代の話をするわけでもなく、ツイッターで知ったか誰かと話題にしたような最近の話を思い出したように口にした。会話の辿り着く先よりも、江藤くんの前髪から覗く二重瞼を自然とじっと追いかけていた。
「あー割ときてますこれ、酔ってます。帰ります。」
「祐樹、もう帰んの?同級生、来たばっかじゃん。」
「えっ、どうすんの私たち」
「すんません。二人で楽しんで!んじゃ」
ふわふわした意識の中でも江藤くんの輪郭は私だけにくっきり見えていたんだと思う。
「遅くまでごめんね?こんな楽しいの久しぶりだわ。いつも周り男ばっかだからさ。」
「本当えとーちゃんって面白いんだね、かっこいいのにさ、面白い。」
「なんだそれ、変な褒め方。てか、もうこんな時間かよ」
小洒落た古着?のシャツを腕捲りし、時々腕を上げて目をやるその仕草も、ジョッキを取るたびに見える白くて細い手首も、美しい。それを見ているというよりも、音として聴こえてくるみたいだ。第二ボタンまで外されたシャツからは、鎖骨のラインが覗いて見える。
「終電まだあるの?うち、近いけど」
「んん....どうだったかな」
上京して半年、終電が何時まであるかなんてことは既に知っていた。
ほんのわずかな間が、緊張を含んで2人だけの空間を満たした。
「意外と...ないんだよね」
その透き通った瞳に吸い込まれる夜を、何度過ごしただろうか。時間の存在すら忘れてしまっていたほどだ。それでもだらだらと平気で日常の営みができている私がこの六畳半の部屋にいた。
「毎回家来るたびタバコ吸ってるとこじいっと見てくるじゃん、何だい、お姉さんよう」
夏の風が吹くたび、彼の伸びた前髪がふわりと揺れ、お気に入りのシャンプーの淡い香りがそっと私の鼻を打つ。
「タバコの匂い、苦手なんだけど、 えとーちゃんが吸ってる横顔見るの、好きなんだよね」
顔が火照っているのが分かるからあえてこんなこと言えるの、分かってるでしょうと、ぱらりと額に落ちた髪を整えてぐいっと缶ビールを流し込む。
「小さいことなんて気にせずさ、今宵も飲みましょうよ、お兄さん」
全部5%の罠のせいにしてしまおう。朝になったら、どうでもよくなる。これはきっと浮気ではない、
たぶん。
胸の奥底に閉じ込めた小さな罪悪感が、今日も夜の電線を伝わって、風にさらわれていく。
「今日も彼氏の家行くの?そろそろ別れなよ。いつ付き合ってくれんの?」
「うん、分かってる、大丈夫」
耳の奥から心が腐ってきているはずなのに、江藤くんの音はいつも透き通っていて、それがまた機械を通して誇張され、私の狭い胸を吹き抜けていく。
「もしもし?お疲れ様。ご飯、作ってるよ。何時に来る?」
「うん、毎回ごめんね、もうすぐ」
いつも通りの翔悟の優しさを感じるたびに、引き延ばされた夕暮れの中にいるようだった。
眠るような平穏な日々が、いつしか痛みに変わってしまっていたのかもしれない。こうなってくると、きっと私の声も、翔悟の声も、お互い何を言っても最終的にばらばらに砕けてしまうのだろう。瞼を閉じた瞬間、真夜中に光る透き通った瞳を想った時、この電話で、これで最後にしようと誓った。
「あのさ、ずっと言おうと思ってたの、実は、ね…?すこし前からちょっと、相談受けてる人がいてさ、仲良かった同級生の友達でね?今ちょっとその人のことが気になって...」
じっと、何かを眺めているような沈黙だった。切迫した呼吸音が、一つ二つと、自分でもはっきりと聞こえてくるほどだ。
「…知ってたよ。うん、知ってた」
その声はとても穏やかだったけれど、深い谷底から響いてくるように聞こえた。
その黒い四角い板を握る手に力が入る気配まで伝わってくる。
「え…?」
「…相手を思って口に出さない事が、秘密にしておく事が、かえって人を傷つけるんだよ」
電話越しの柔らかい声が、電車の騒音に掻き消されてぷつぷつ途切れている。
その声は不鮮明に、小さく途切れ途切れながら、蒸発していくようだった。
「言うの遅くなったのはごめん、ごめん..翔悟のこと、嫌いになったわけじゃないんだけど...」
「…三年も付き合ってりゃ、君が誰を好きになったかなんて、気付いているよ。俺はタバコも吸えないからね」
あれからどれだけ月日が経っただろうか。いつの日だったか、寒さなんて二人でいれば我慢できるからと、夏より冬の方が好きだなんて言った。だけどやっぱり夏のほうが好きだったんだなあ、なんて季節が変わった今気付いて、身を守るように肩をすぼめる。買い物袋を持った私を見て慌てて駆け寄ってくる人間も、優しいおかえりも、あの時交わしたビールと共に流し込んでしまったのだ。
新しい真っ赤な口紅を、長引いた夕暮れを染めるように重ねる。冬の冷たい風が鋭く頰を削ると、短くなった髪が耳の上で仕方なさそうに揺れる。
あの頃から変わった事といえば、じょうずに嘘をつけるようになったことくらいかと、ため息とともに煙を吐き出す。
その時、電話が鳴った。
企画、音楽:mihiro(noto)
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model :辰巳シーナさん
https://twitter.com/tatumi_shina
Photo graphy / Editor:bonさん
https://www.instagram.com/__q____a/?hl=ja
私役:松浦稀さん
https://twitter.com/marematsuura
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木下翔悟役:こっちのけんとさん
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江藤役:しんぐんさん
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祐樹役:おでぃさん
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著書、映像編集、監督:こぴ
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2021-02-20 01:10:50『月と金星』より抜粋
カクテルシェイカーのようによく冷えた中央線特別快速の中、レシピサイトで今晩の献立を考えていると同僚の牧さんからメッセージが入った。
『よ』
『よー』
『お疲れ』
『まだ経理部いる?』
『お疲れ様です』
『いや』
『そろそろ最寄りです』
『はや!笑』
『まぁたまにはね笑』
『牧さんはお決まりのやつですか?』
『からかう暇あるなら助け舟出してよ、、華金なのに、鹿島が私を離さない』
課長の鹿島さんは彼女が大のお気入りで、金曜はいつも仕事を増やして2人で残業し、20時頃飲みに誘うのがお決まりだった。
『笑』
『そうしたいのは山々ですが』
『うん、どうしようもない』
『あのさ、今日見たい映画あるんだけど、トムハーディ主人公のやつ。帰りにTSUTAYAで借りてく?』
その文面を見て僕は目を閉じた。
やってしまった。
一昨日の昼下がり、社食で山菜蕎麦を食べていると、珍しく彼女が声をかけてきた。
「どうしたんですか」
「だって。周り人いないし」
確かに、200席ある空間には僕たちをのぞいて4,5人しかいなかった。
「あらほんとう。でも仕事戻らないと鹿島さんに残らされますよ」
そう言うと、彼女は少しもじもじして言った。
「あのさ、金曜お邪魔してもいい?」
確かにそう言っていた。そして僕は予定も確認せず、蕎麦をすすりながら確かに頷いた。
きっと彼女の中では今夜のシナリオが緻密に練られていたに違いない。21時ごろ駅に到着、帰路で好物の肉まんとコーラを買ったらマッドマックスかブロンソンを観る。ダークナイトとインセプションも捨てがたいが、ノーラン監督のハーディは決まって脇役だ。そして映画が終われば午前2時のシーツで深い眠りにつく。
僕は卑しくも先約と彼女を天秤にかけた。
『すいません』
『今日弟が来ることになって、』
ありのままを伝えればきっといい思いをしないから、僕は一部だけを切り取った。
既読はついたが返答は遅く、腹の底が締め付けられた。
『そっか』
『まぁこればかりは仕方ない』
『あんまり会えないだろうし、家族団欒を楽しんで!』
『ごめんなさい、』
『気にしなさんな。明日死ぬわけでもあるまいし』
『来週ブロンソン観ましょう』
『え、なんで分かったの』
『好みそうだから』
『そっか笑 ありがとね』
『こちらこそ、ありがとう』
タイミングを失った曖昧な関係の果ては、一体いつ訪れるのだろうか。
列車の扉が開き、ホームに足をつけると、顔には茹だるような熱風が吹き付け、今夜は熱帯夜になると予感した。
巨大な看板が見下ろす駅前広場はくたびれて背筋が曲がったサラリーマンや出会いを求める溌剌とした若者で溢れている。雑居ビル群の隙間に張り巡らされた薄暗い商店街に入れば、魚の煮付け、肉饅、もつ煮に焼き鳥、色んな匂いの湯気が空間に立ち込めてすごい湿気だった。
僕は客引きを避けながら、地下の食品店で肉野菜を買い足し、一本裏手に入って桃色の壁が大変チャーミングなフィリピンパブ脇の階段を上がった。
薄っぺらい扉向こうの築50年2DKに期待できるものなんて何もありゃしない。生活に必要なだけの家具とオーディオと数本の植木鉢があるだけだ。
床に散らばるペットボトルや延長コードを避けながら僕は汗ばんだ服を脱ぎ、大窓を開けてベランダに出た。目の前には雑居ビルに囲われた小さな中庭と一本の街灯があり、そこでは子供達がキャッキャとボール遊びを、猫はシャーシャー喧嘩を、パブのママはゴンゴン洗濯機を回していた。
頭上の四角く切り取られた空には、藍夜に飲み込まれる夕焼けの中、淡い輪郭を持つ月と金星が寄り添うように輝いており、さながらムンクの星月夜のようだった。
「そんなもん吸い出しちゃって」
口元で紙煙草がじんわりと赤い火を灯す中、ママは言った。
彼女の会話の始まりはいつだって間が悪い上に好戦的で耳に障る。
「あれ、こりゃどうも。これから出勤ですか?」
僕はフェイスパックにヘッドタオルの大怪獣ダダもといママへ聞いた。
「暇ならうち手伝いなよ。先週ちょうど一人辞めたから」
「毛の処理してませんけど大丈夫ですか」
「客引きだよばか。つまんないボケしやがって」
「まぁまぁ。そういや、今日葉来ますよ」
そう言うと、彼女のフェイスパックは顔から剥がれ落ちた。
「えー!早く言ってよ!いつ来るの?」
「さぁ、特に聞いてないんで」
「聞けよ」
「時間あったら寄りますよ」
「なくても寄りな。成田屋のちゃんぷるーあるから食べさせて。あの子成長期なんだから」
「いつもすみません」
火を潰して部屋に戻ると、僕はたまっているオールナイトラジオを流しながら牧さんの歯ブラシやパジャマをしまい、床は念入りに掃除機をかけた。浅ましいことは自覚している。
『今まで本当に長い間、お世話になりました』
そんな言葉を聞いたのは3年前の春のこと、近所のバス停だった。
田村光は深々と頭を下げ、まだ小学生だった弟の葉とこの部屋を出ていった。
僕がうつむく彼を「またな」と強く抱きしめると、「本当にまたあるの?」と返ってきた。
「うん、絶対あるから、大丈夫」
そう言いながら、僕は彼女の目を見て頷いた。
「じゃあ、行くね」
「うん、元気で」
「樹も元気で」
光はとても穏やかな表情をしてバスに乗った。
車体が交差点を曲がって視界から消えた時、長い年月をかけて築いた自分の半身が死んだ気がした。
「こんな終わり方後悔するよ」
ママはそう言った。
「どうしようもないでしょ」
僕はそう言い、階段を上がった。
最低限のものが持ち出され、「捨てて」と告げられた穴あきのニットやダイアナのヒール、使い古したスケボーはあまりに生々しく、今でもクローゼットの隅に残したままだ。
随分昔、光へ告白をしたその日、彼女は僕を自宅に連れて行った。
煙草の煙が立ち込める古いアパートには痣のある母親とその恋人と、赤ん坊の葉がいた。
一目でその家庭に何が起きているか分かった。
そしてその日の夕方、僕はアパート脇のブランコでひどいフラれ方をした。
だから18になったら3人で住もうと言い返すと、彼女はくしゃっと笑った。
3人で7年間、この部屋で暮らした。働いてばかりで余裕のある暮らしなんて送れなかったけれど、幸せだった。葉を自分の弟のように、子供のように可愛がった。
入学式も授業参観も運動会も、僕は当たり前のように出席したし、色んな場所を3人で見て回った。
そして葉が人一倍努力家で、思いやりのある自慢の少年になった時、僕と光はとうに恋人ではなくなっていた。
彼らが去った晩、ソファに座って呆然としていると、葉から電話があった。
深夜零時の公衆電話からだった。
「もしもし」
「葉?どうした?こんな時間に出歩いちゃダメだろ」
「コウちゃんと同じ布団だから寝らんない、なんか部屋臭いし」
「そっか、それは寝られないな」
「もうほんとに戻れないの?」
「うーん、分からない。やっぱりちょっと難しいかもな」
「ほんとに俺のせいじゃないの?」
「それだけは違う。何度も言うけど」
「戻りたくないの?」
「戻れるなら、うん、戻りたいかな」
「俺も戻りたい。帰りたい」
「うん、そうだよね」
「うちに帰りたい」
血も縁も繋がらない少年のすすり泣きに、僕は携帯を押し当てることしかできなかった。
スピーカーから流れる宇多田ヒカルのニューシングルと共に鶏の一枚肉を卵にくぐらせていると部屋にチャイムが鳴り響いた。粘り気のある手のまま扉を開けると短髪になった葉が立っていた。
「えらい早くないか」
「部活早く終わったから」
「なんで息荒いの」
「走ってきた。何となく」
「若いって罪よねー」
僕はそう言いながら、彼の手に下がる成田屋のビニール袋を見た。
「あ」
「え、まじ」
僕が頷くと、彼は大きく溜め息を吐いた。
「まぁ、育ち盛りだから大丈夫。二人前食え。というかどうしたそれ」
襟足まで伸びていた彼のさらさらヘアーは3週間見ないだけで引き締まったツーブロックに変わっていた。
「変?」
「変じゃない。ただ垢抜けたなぁと」
そう言うと、彼は少し口元が緩んで嬉しそうにした。こんな素直な高校生この世にいるかねってくらい素直で、こっちが恥ずかしくなる。
「お、チキン南蛮!手伝うことある?」
「いやいいよ、ゲームでもやってろよ」
「えーそうですかー」
葉はテレビゲームを立ち上げて通信対戦をはじめ、僕はキャベツを千切りにした。
彼の高校進学を機に、二人は新高円寺から四ツ谷に引っ越したと聞いた。
二人がどんな物を食べて、話して、誰と暮らしているのか、僕は何一つとして知らない。
葉は彼女のことを話さない。話したがらない。
高温の油にくぐらせた鶏肉はパチパチと小気味良い音を立て綺麗なきつね色に揚がった。それから隣のコンロで醤油と砂糖とみりんベースの甘辛いタレを作り始めると、葉はゲームを止め、冷凍庫にあった残り物をひょいひょいと集めた。
「えー、いいのに」
「大したことしないよ」
「味噌汁?」
「うん」
僕はだしの素を渡し、彼は鍋に火をつけて具材を炒めた。改めて横目で見ると、身長は僕とそう変わらないし、体つきもがっしりし始めていた。
彼がまだ保育園の頃、仕事漬けの彼女は家を開けることも多く、大学生だった僕と彼は、よくこのキッチンにいた。
初めて彼の好物のチキン南蛮を作った夜、出来上がりはまずまずだったが、やや事有り気な表情の葉を見て僕は慌てた。
「ごめん、コウちゃんのと違った?」
そう聞くと、彼は首を横に振った。間違いなく揚げ物担当の自分に非があると確信したが、原因も分からず、僕は葉が残さず食べる姿をじっと眺めることしかできなかった。
一連の出来事を深夜に帰ってきたコウちゃんに話すと、彼女は静かに笑っていた。
「うちはさ、なんでか卵と小麦粉なんだよね。もしかするとお父ちゃん九州出身だったのかも。ほら、私顔も濃い目だし」
彼女は眉間の掘りをつまみ、金麦をぐびぐび飲みながらチキン南蛮もどきを食べていた。
「なんだ、美味しいじゃん」
「そりゃレシピ通り作ったからね」
「葉は贅沢なやつだなぁ」
食事を終えると彼女はすとんと眠り、朝になればまた働きに出る。襖越しの葉が起きないよう、僕たちはいつも明かりと声を絞って深夜のわずかな時間を過ごしていた。
「じゃいただきまーす」
葉は何とも行儀悪く、山盛り茶碗の上にどっさりと肉を乗せ、タレのしみた米をかき込んでいた。
「うまい!」
「そりゃ良かったよ。なぁ」
「ん?」
「彼女できました?」
僕がそう言うと、葉は僕を睨んだ。
「なんで?」
「当たっちゃったか」
「違うって」
「じゃあ気になる子?」
彼はいや、と首を傾げながらもゆっくり頷いた。
甘酸っぱすぎて叫びたくなったが、嫌われたくないので我慢した。
「写真ある?」
そう言うと、彼はスマホを取り出し、真剣に写真を探し始めた。
見せちゃうの、見せちゃうのか!本当にこいつには思春期がないのか!
ツーショットの写真に映る彼女はまぁ結構な美人で、こいつは面食いだと確信した。
「お、可愛いじゃーん。と言うかツーショット」
「普通に、体育祭の時のやつだし」
「いや体育祭でも二人じゃ撮らないだろ」
それから僕たちは彼女にアプローチするための戦略を紙に書いて練った。練りながら、かつての自分が使ったアプローチと同じものだと気づき、我ながら呆れた。
「焦らずゆっくりやりたまえよ葉くん」
僕は葉にチキン南蛮の一切れとトマトをあげた。
「トマトはいらない」
「贅沢なやつだな」
「樹はさ、彼女とかいないの?」
「え」
初めて聞かれた、そんなこと。
「ごめん、忘れて」
「いたら、どう思う?」
「うーん、まずはちゃんと紹介してほしい?かな」
「・・・・呼んでみる?」 -
眺高電話 在 動画、はじめてみました【テレビ朝日公式】 Youtube 的最佳貼文
2021-01-26 11:00:07ちーちゃん(大阪・18歳) オリジナル曲「恋と勇気」
「歌カツ!」シーズン2が開幕。優勝者には粗品が楽曲プロデュース!全国から選抜された歌うま中高生14名がシーズン2に挑戦!
その中で、1次審査を通過した10名がオリジナルソングを制作し、歌唱!
「歌カツ!」公式Twitter
https://twitter.com/uta_katsu
「歌カツ!」公式Tiktok
https://www.tiktok.com/@utakatu
「歌カツ!~歌うま中高生応援プロジェクト~」
毎週木曜日放送!よる11時~ABEMA&深夜2時16分~地上波
▽ちーちゃん SNSアカウント
【Twitter】
https://twitter.com/CH__1212
【Instagram】
https://www.instagram.com/chi__chan1412/
♬♬♬♬♬♬♬♬♬♬♬
「歌カツ! ~歌うま中高生応援プロジェクト~」
プロを目指す全国の歌うま中高生が集結!
超豪華アーティストが講師として続々登場!
プロを目指す原石たちを応援する次世代シンガー発掘リアリティショー!
毎週木曜日 深夜2時16分~2時36分テレビ朝日で放送(一部地域を除く)
ABEMAでもオリジナル版を配信!
【出演者】
総合プロデューサー:粗品(霜降り明星)
アシスタント:弘中綾香(テレビ朝日アナウンサー)
過去の放送はアベマで配信
⇒https://abema.tv/video/title/88-101
♬♬♬♬♬♬♬♬♬♬♬
===
「恋と勇気」 歌詞
1年A組 優しい君に恋をした
初めは見てるだけで幸せだった
ずっと目で追っちゃう
あ!!今目が合ったの
今日は1日幸せかもね
やっと手に入れた君のLINEを眺めながら
勇気をだしてよろしくね
可愛いねって思ってもらいたくて
メイクも髪型も変えたの気づいてよ
いやそんなことより早く返信してくれないか
ねぇねぇ週末遊びに行きたいな
LINEと見つめることでいっぱいだけど
ねぇねぇ少し時間ありますか?電話したいな
ほんの少しずつ近ずけたらなんてね
===
【動はじ】公式Instagram
https://www.instagram.com/douhajiex/
【動はじ】公式Twitter
https://twitter.com/buzzdogaTV
【動はじ】公式TikTok
https://www.tiktok.com/@dogahajime?la...
公式Youtubeチャンネル「動画、はじめてみました」
https://t.co/wBRn2Sq3Iu?amp=1
【動はじ】公式HP
https://www.tv-asahi.co.jp/douhaji/
#歌うま #うたうま #歌カツ
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110年9月25星期六行程表
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和平勝利路口義賣
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下午3點半4點仁愛國小對面太平里未來不知何去何從開直撥
暫停10點半出發到東港搭船去小琉球坐12點36分下午1點50到3點20抗議反鳳凰蓋十層大樓抗議破壞生態沒有社會形象責任,不友善小琉球居民。
暫停下午6點45到8點45路三地門夜市義賣
巡視污染河川, 抗議屏東高工 光復路 忠勇路建民路柳州街強奪民地
羅騰園第67期免費開辦才藝課程10月17日至12月12日結業式12月13日
65期腳踏、汽機車維修、鑑定 每週(六)下午02:30~03:30 羅煥興 講師 和生路1段851巷17號(羅騰園第一堂
暫停2665期串串珠和花布包包製作(暫停) 每週(六)下午02:30~03:30 鍾菊貞 講師 忠孝路142號(羅騰園教室) 第一堂
暫停2765期跆拳道(幼兒、國小家長陪同) 每週(六)下午02:30~03:30 劉明球 講師 忠孝路142號(羅騰園教室) 第一堂
28 65期小提琴入門 每週(六)下午05:30~06:30 余鈴淑 講師 忠孝路142號(羅騰園教室) 第一堂
1129 65期專題講座-人物、品牌型塑 3/27(六)下午02:30~03:30 陳麗文 博士 忠孝路142號(羅騰園教室) 第一堂
30 65期專題講座 中場休息備有茶與點心) 05/15(六)13:30~17:30 幸福力講師群 忠孝路232號(縣議會2樓202室) 第一堂
蔣月惠出書,其實我會怕:孤鳥鬥士蔣月惠的傳奇人生每本300元 一次團購至少20本,每本定價300元,出版社開立 六折 (180元) 發票,四折 (120元) 捐贈給羅騰園 協助弱勢邊緣人,羅騰園開立收據給讀者。 ※ 目前已有團購120本,有意者請洽羅騰園協會。 電話:08-7518078 或洽:暖暖書屋出版社02-23916380 羅騰園出書 將殘的燈火不熄滅 每本三百元助弱勢 感謝!!孫震南博士贈3D列印機列印手機壁掛架每個義賣500元暨捐助人捐款助羅騰園社會邊緣人,月惠感恩您們!!
2022年選縣議員 一票30元的補助款 議員薪水六萬捐弱勢 選區全屏東市
2024年 月蔣月惠參選立委 請給無黨籍一次機會,一票30元的補助款,保證金20萬 ,立委薪水7成 ,全助弱勢邊緣人,威力勇猛!月惠 感恩您! 第一選區包括屏東市、里港、高樹、三地門、霧台、瑪家、九如、鹽埔、長治、麟洛、內埔等11鄉鎮市,人口數386366
110年5月13日
蔣月惠作詞作曲主唱歌名
(小琉球美與哀)
小琉球四面環海藍藍天
深海世界多綺麗
斑斕魚穿梭礁石
百隻綠龜遊四海
遠眺龜神浮水面
墨色海草起水舞
粼粼波光映海面
地勢隆起土壤瘠
缺水缺電人口移
陸玖年海底電纜
豐沛水源與電光
遊量十萬觀光熱
鳳凰旅社蓋十樓
居民憂心基不穩
深挖陸公尺水冒
業者回嗆合法性
奈何我持續施工
消防安全無人理
島民不安居樂業
蔣月惠免費教轉鈔
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眺高電話 在 跟著董事長遊台灣 Facebook 的最佳貼文
▲漫步在雲端▼
101景觀台在台北101的89樓
但你可知?
台北101還有一個真正的101樓景觀台
我們可是要帶著你們走出戶外
「Skyline」天空步道
讓你登上全亞洲最高天空步道
在海拔460公尺處眺望
俯瞰360度無遮蔽的台北城市美景
夕陽下享受在雲端漫步的悠閒感受
結束後來杯101最有特色的「雲朵咖啡」
配上快閃音樂會
保證讓你非常難忘~
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也祝福各位貴賓中秋佳節愉快~
#跟著董事長遊台灣 #台北101 #Skyline
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眺高電話 在 Facebook 的最佳貼文
前幾篇分享美國生活的文章,大家都喜歡看,尤其是黑人媽媽那兩篇,引起不少討論,連「真的媽媽」都打電話來關切了。
媽:「你在美國過得好嗎?」
我:「很好啊~」
媽:「我看你每餐都吃得很省、都用舊的傢俱,好像過得很拮据,有困難要跟我說….」
我:「我真的過得很好😂。」
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為了別讓媽媽擔心,這一篇就來寫寫我們在芝加哥的享樂時光吧。
每週五,是我和律律的放鬆日,她只有半天課,從中午到晚上,就是我們一週中最歡樂的時刻。
我們會挑一間不錯的餐廳,悠閒地享用美食,吃到兩三點。接著來一趟小旅行,探索芝加哥這個大城市的某一區。我們會像觀光客般地拍照、玩耍、消費。在這一天徹底放鬆心情,盡興而歸。
上週五,帶律律來到「Cindy’s Rooftop」,一間位於百年歷史酒店頂樓的屋頂餐廳。正對著千禧公園、遠眺密西根湖,芝加哥最美好的視野盡收眼底。
我點了一份極度美味的抱子甘藍烤雞和一杯帶有酸橙風味的西班牙調酒,律律點了「不是那麼秘密的秘製漢堡」(菜單上寫的)與薯條,顏值與口感水準皆高。美食配美景,令我們心曠神怡,完全折服於芝城美食之都的魅力。
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平時,我們的生活簡單規律,一個忙課業、一個忙工作。偶爾上街採買,或在河邊散步,如此而已。簡樸,才襯托得出對假日的期待。
美國外食所費不貲,連垃圾食物都不便宜,但你卻可以在超市買到比台灣還價廉質優的生鮮食品。平時在家吃飯,是最健康的選擇,把錢省下來,留給值得的餐廳。
而美國的二手市場比台灣普遍許多,在短住的一年裡,使用狀況好的二手傢俱,是兼顧質感與實惠的最佳考量。
媽媽,我們過得很好,只是這裡生存的方式與台灣大不同。
身邊有這麼多人關心,已十分幸福,我們會努力過好異國的每一天,不停下腳步。
#樸實日常
#偶爾享樂
#用生活的腳步慢慢品味這座城市
#芝加哥沙舟